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■磐田市と被爆桜
市長 草地博昭
戦後80年という大きな節目を迎え、7月号に続き平和への想いをお伝えしたいと思います。
さて、皆さんは磐田市に「被爆桜」があることをご存じでしょうか。毎年8月6日、本市では小中学生の代表が「広島平和記念式典」に参列し、原爆や戦争の恐ろしさを学び、平和を希求する心を育む取り組みを行っています。この広島訪問の際には「安田女子中学高等学校」へ訪れます。
これは、訪問が始まった平成22年度に、同校で大切に育てられている「被爆桜」の苗木を分けていただいたことに始まります。広島市内には、爆心地から2キロメートル以内で被爆しながらも生き残った樹木159本が「被爆樹木」として認定されています。その中でも「被爆桜」はわずかしかなく、そのうちの1本が「安田女子中学高等学校」に残っているのです。
同校の生徒会は、この「被爆桜」の苗木を全国に送る取り組みを平成20年に始め、これまで延べ84本の苗木を全国各地へ送ってきました。本市はそのうち13本を分けていただき、現在は、そのうちの4本が春になるときれいな花を咲かせています。原木の「安田女子中学高等学校」の「被爆桜」は、すでに木の寿命とされる60年をはるかに超えていますが、大切に育てられ今も生き続けています。
私たちにも、平和について想いを寄せることのできるこの桜を大切に育て、次の世代へとつないでいく使命があります。戦後80年の本年、市民の皆さんとともに、平和への想いと「被爆桜」を育てていきたいと思います。