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■実りの秋に感謝を込めて
市長 草地博昭
今年の秋も、市内の田園地帯では黄金色の穂が風に揺れ、店頭には新米が並びはじめています。昨秋から「令和の米騒動」ともいわれた米価の高騰が続き、私もスーパーで価格を確かめるのが日課のようになっています。
お米は日本人の主食であり、暮らしに欠かせないもので、価格上昇は家計に大きく影響します。また、市には多くの米農家があり、本市の米の収穫量は県内35市町の内2位(令和5年)で、学校給食では市内産米の100%使用を目指しています。今回の出来事を通じて、消費者と生産者双方の声を聴く中で持続可能なお米の生産と消費のバランスを改めて考えさせられました。
この時期は遠州地域ならではの秋祭りも各地で行われ、「採れたての新米をお供えし、みんなでおにぎりにしていただく」という地区もあります。「米」という文字の由来は諸説ありますが、お米が出来るまでに八十八の手間がかかるためともいわれています。一粒一粒に込められた生産者の皆さんの丁寧な営みが、私たちの食卓を支えています。お祭りを通じて、生産者と消費者がお互いに感謝を伝え合う姿を目にすると、「食こそが私たちの命の源」であることをしみじみと感じます。
この豊かな土地を守り続けてきた先人と、今も汗を流す生産者の皆さんに心から感謝しながら、今日もおいしいご飯をいただきましょう。

