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健幸plus+ 市立総合病院からのお知らせ

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静岡県磐田市

■聞こえと認知症(にんちしょう) 知っておきたい大切なこと
耳鼻咽喉科 医長
大石宏虎(おおいしひろと)

「年だから聞こえにくいのは仕方ない」と思っていませんか?実は、年齢とともに聞こえが悪くなる「加齢性難聴(かれいせいなんちょう)」は、認知症と深い関係があることが分かってきました。最新の研究では、難聴がある方は、そうでない方に比べて認知症になるリスクが約2倍になるという報告もあります。
なぜ難聴が認知症と関係するのでしょうか?聞こえにくいことで、人との会話が億劫(おっくう)になったり、テレビやラジオの内容が理解しづらくなったりすると、社会との交流が減り、脳への刺激が少なくなってしまいます。これにより、認知機能の低下につながる可能性があると考えられています。
ただし、難聴が直接認知症を引き起こす原因であるとは言い切れません。難聴と認知症には、共通の原因(例えば、血管の病気など)がある可能性も指摘されています。そのため、「補聴器を使えば認知症を完全に予防できる」とまでは言えません。
しかし、聞こえを良くすることは、日々の生活の質を大きく向上させ、社会とのつながりを保つ上で非常に重要です。聞こえが改善することで、コミュニケーションが活発になり、脳が活性化される効果も期待できます。
もし聞こえにくさを感じたら、一人で悩まず、早めに耳鼻咽喉科を受診し、適切なアドバイスを受けることを強くお勧めします。聞こえのケアは、健康で豊かな生活を長く続けるための大切な一歩です。

       

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