■大相撲力士 式秀(しきひで)部屋 序二段 爽 薫(さわやか かおる)さん
2001年生まれ。磐田市出身。身長171センチ、体重93キロ。生まれつき両耳が聞こえにくい先天性の感音性難聴を患う。神明中学校卒業後に式秀部屋(茨城県龍ヶ崎市)に入門。その後、新弟子検査に合格。得意技は下手投げ。最高位は三段目六十四枚目。通算成績188勝194敗3休(2025年10月31日時点)
◇大相撲力士になるまで
相撲は、幼い頃から祖父と一緒にテレビで見ていたので好きでした。だんだんと「自分もやってみたい」という気持ちが大きくなり、磐田市や袋井市の相撲クラブに入りました。中学校卒業後に新弟子検査を受けて合格し、夢だった力士になることができました。
◇四股名(しこな)「さわやか」の由来
元々は本名を四股名にしていたのですが、小さい頃から「炭焼きレストランさわやか」が好きだったので、母からの勧めもあり四股名にしました。地元に戻って久しぶりに「げんこつハンバーグ」を食べると元気が出ます。
◇取組前のメンタルの整え方
相撲は一瞬で勝敗が決まります。取組前にあれこれ考え過ぎると雑念につながってしまうので、自分は何も考えない「無の境地」を目指しています。
◇難聴について
生まれつき両耳が聞こえにくいので普段は補聴器が欠かせません。土俵では補聴器が付けられないため静寂の中で取組をしています。自分と同じく左耳が聞こえにくい式秀親方から「耳が聞こえないのをバネに頑張れ」と励ましてもらったことを今でも覚えています。「自分もやってやろう」と思いました。
◇印象に残った取組
令和元年の九州場所で、自分と同じく4連勝中だった序二段の宇良(うら)関(当時)との一番です。一瞬で負けてしまい、その場所で唯一の負けで、今でも鮮明に思い出せるほど悔しかったです。
負けた時は「どういう風に負けたのか」が大事だと思います。特に悔しい負け方の場合は、次に勝つためにどうすればよいか、自分なりに考えて今後につなげています。
◇磐田市への思い
地元に帰ってくると家族や知り合いに会ったり、好きなパン屋に行ったりしてリフレッシュしています。中学校卒業と同時に磐田を離れましたが、やはり地元は落ち着きます。
◇今後の目標
まずは幕下力士になることです。そのために日々の稽古に取り組み、親方をはじめ応援してくれる人の期待に応えられるように頑張ります。

