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健幸 plus+ 市立総合病院からのお知らせ

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静岡県磐田市

■花粉‐果物アレルギー症候群(PFAS)の理解と対策
皮膚科 医師
石川優人(いしかわゆうと)

花粉-果物アレルギー症候群(PFAS)という言葉をご存じでしょうか。これは、特定の花粉症を持つ人が、その花粉の構造に似た成分を含む果物を食べると、口やのどにかゆみや腫れを引き起こすアレルギー反応です。次に主なものを示します。
(1)シラカバやハンノキの花粉症
リンゴ、モモ、サクランボなどのバラ科の果物や大豆に反応することがあります。
(2)イネ科の花粉症
ウリ科の果物やキウイフルーツで反応が出ることがあります。
(3)キクやヨモギの花粉症
セロリ、ニンジン、カレースパイスなどで口の周りやのどにかゆみを感じることがあります。
これらの反応は、ジャムや缶詰など加熱処理された果物では症状が出にくくなることが知られていますが、一部の人は加熱後でも反応が現れることがあります。PFASの症状は一般的に口やのどに留まる軽症例が多いですが、まれに全身の皮膚症状や呼吸困難、腹痛などを引き起こすことがあるため注意が必要です。
一番の対策は、過去に口やのどに違和感を覚えた果物を避けることです。食品のラベルを確認したり、外食時に食事の調整を依頼することが重要です。また、花粉症があっても、これまでに症状が出なかった食べ物は避ける必要はありません。ただし、特に症状がひどい場合や他のアレルギーと併発している場合は、医療機関で原因を調べる検査や緊急時の対応について相談することをお勧めします。
PFASを含め、身近なアレルギーの理解を深めて適切な対策を取ることは、日常生活の質を高めることにつながります。

       

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