【「もろこ号」運転日誌】
■ボランティア
「もろこ号」のボランティアは利用者を送迎するドライバーと、利用者とドライバーのコーディネーターがあり、現在23人が登録しています。
ボランティアの多くは65歳以上の方ですが、30代、40代の方も参加しています。活動は、隙間時間や空き時間を利用して、3週間に1回程度と負担の少ない範囲で行なっている方もいます。
■利用方法
利用対象は、南御厨地区在住の高齢者や交通手段に不自由な方です。利用者は、会員登録後、南御厨交流センターに行き先と利用時間を事前予約をします。運賃は無料で、自宅と指定した場所までをドアtoドアで移動できます。
利用できる目的地は、市が運営するデマンド型乗合タクシーが行くことのできない、片道15分程度の病院や公共施設、店舗など、できるだけ利用者のニーズに沿った場所となっています。
◇8:20
交流センターにて、運行スケジュールと利用者の乗車場所を確認し、もろこ号の鍵を受け取ります。運行前に車両点検と運転指示書の記入をします。
◇8:30
1人目の利用者さんを自宅近くまで迎えに行きます。この日は、JR磐田駅近くにある整形外科へ。帰りはデマンド型乗合タクシーを利用するそうです。
◇9:30
2人目の利用者さんは、市内中心地のショッピングセンターへ。タクシーなどを利用すると、経済的に厳しいので、助かっているとのこと。帰りのお迎えも希望です。
◇11:30
3人目の利用者さんも市内中心地のショッピングセンターへ。普段、自転車で行くこともありますが、体力的に心配な時は、もろこ号を利用しています。帰りはタクシーを利用します。
◇11:45
2人目の利用者さんをショッピングセンターにお迎え。とても楽しい時間を過ごせたとのことです。
■齋田幸立(さいだゆきはる)さん(46歳)
妻の出身地である磐田市に県外から移住し、最初は地域の人とはあいさつ程度でした。しかし、路線バスの廃止があり、地域の人たちが困っていることを聞き、自分にも何かできることがあればとボランティアに参加しました。
時間が調整できる仕事をしているので、空いた時間で無理なく活動しています。移動支援を行う短い時間の中でも、利用者の方がとても喜んでくれることにやりがいを感じています。また、今まで関われなかった地域の方との繋がりができ、自分も楽しく活動しています。
これからも地域の方の助けになるように、続けていけたらと思っています。
【お互いさまのこころを運ぶ】
■平 久美子(たいら くみこ)さん(利用者)
毎週、リハビリのため病院へ行きます。距離が遠く、大変なので助かっています。以前、もろこ号の帰りの予約が取れない時があり、ドライバーさんが時間を調整して迎えに来てくれて、親切さに感激しました。ドライバーさんの思いやりに、感謝しています。
「もろこ号」は、生活に欠かせない存在になっています。
■ちょっと困ってる人を、ちょっとお手伝いできる人が、手助けできるのがいい
ドライバー 村松 忍(むらまつ しのぶ)さん(70歳)
同級生に誘われ、ボランティアに参加しました。自治会の活動経験もあり、地域のことが分かるため、負担なく活動ができています。
ボランティアの皆さんは活動を大袈裟(おおげさ)に感じておらず、だからこそ、自然に活動ができていると思います。
自分もいつか、もろこ号を利用する日がくるので、それまでは元気で、地域の手助けをしていきたいです。
■父たちの世代も、いずれ利用するから、自分たちが、引き継いでいきたい
ドライバー 南里 哉子(なんり かなこ)さん(37歳)
市内在住で実家が南御厨地区にあり、父がもろこ号のボランティアに参加すると聞き、生まれ育った地域で何かお手伝いできたらと、父と一緒に参加しました。ドライバーをしている父たちの年齢を考えると、ずっと、お任せしていくのは心配なので、ゆくゆくは、自分たちの世代が引き継いでいけたらと考えています。
自分のような世代の方が、地区に限らず、参加してくれたらと思っています。