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健幸 plus+ 市立総合病院からのお知らせ

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静岡県磐田市

■大切な人を亡くしたら
がん相談支援センター長
緩和医療科部長
中澤秀雄(なかざわひでお)

皆さんの中には大切な人を亡くした方もいらっしゃると思います。また、その方を支える立場の方もいると思います。今回はこころの健康を保つために知っておいて欲しいことをお伝えします。
大切な人を失った時に悲しい気持ちになりますが、これを悲嘆といいます。特に伴侶を亡くすことは、この世の中で一番つらい経験だといわれています。身体や心の不調を来しやすいことは容易に想像出来ると思いますが、個人差が大きいといわれていますし、他の人から見てその方が感じている悲嘆の本当の姿は分かりません。眠れない、食欲がない、だるくて動けないなどの身体の変調ばかりでなく、気持ちの落ち込み、不安、絶望感など、こころの不調を来す人も少なくありません。不調の程度が深く、長く続いて生活に支障が出ることがあり、時には専門家の助けが必要なこともあります。
目標は大切な人を忘れることではありません。思い出しても生活ができることです。そういう状態になるまでには時間がかかり、年単位が必要になることも多いです。「早く忘れて」「前を向かないと」「あなたばかりじゃない」「若いから別の人と」「あの人は喜ばないから元気を出して」周りの人は早くその状態から抜け出して欲しくてアドバイスしたり励ますのですが、それがさらに気持ちをつらくさせます。普段通り接してそばにいるだけで助けになります。悲しさを表現したら、ただただ聞いてあげてください。
同じ境遇の人と話したり、悲しみを聞いてもらえるところをご紹介できますのでご相談ください。

       

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