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■「歴史から学ぶ災害の教訓と備え」
市長 草地博昭
本市は、6月2日からの台風第2号に伴う豪雨によって、昨年に引き続き災害に見舞われました。梅雨を迎え、特に大雨の傾向がみられる7月下旬からの台風シーズンを前に、豪雨災害の備えについて啓発をしようとしていた矢先の出来事でした。
しかも、昨年の台風第15号により決壊し、県による仮復旧の工事が行われた敷地川の仮堤防が決壊し、再度同じ地域が被災するという事態となりました。被災された皆さまに、心からお見舞い申し上げます。市では引き続き、復旧・復興に向けた支援を進めてまいりますが、県に対しても、仮復旧であった堤防を早期に強化すること、そして前回はおおむね市単独で実施した被災者支援についても協力してほしい旨を強く要望しました。
今回の被災を受け、先人たちが残した文献を調査し、特に敷地川における水害の歴史を紐(ひも)解いてみました。すると、昭和以降だけでも、昭和27年に3度、そして昭和49年には有名な七夕豪雨と複数回、水害に見舞われ、そのたびに大きな河川改修を繰り返し、安心できる環境を築いてきたことがわかりました。改めて、被災された皆さまに寄り添い、不安をぬぐうとともに、今後もこの豊かな地域で安心して暮らし続けることができるよう基盤を築き直し、その記録を書き留めておこうと心に誓いました。
皆さまがお住まいの地域にも、それぞれに先人が向き合ってきた災害との闘いの記録が残されています。過去の教訓を活かし、災害に備えていきましょう。