令和5年6月2日。磐田市に甚大な被害をもたらした令和4年の台風第15号から1年も経過していないこの日、再び台風の被害にあった。
(写真:磐田市敷地地内)
※写真は本紙P.4をご覧ください。
■台風第2号に伴う豪雨の特徴
令和5年6月2日、台風第2号に伴う大雨により、静岡県の中西部では線状降水帯が発生し、記録的な大雨を観測しました。磐田市でも床上浸水など、多くの被害が発生しました。
2度の雨のピークを迎えた市北部の豊岡地区では、平成6年から開始した敷地雨量観測において、昨年9月の台風第15号で記録した24時間雨量376ミリを上回る386ミリもの雨量を観測しました。
台風第15号では観測史上最大となる雨量により、敷地川が決壊しました。その後、仮堤防で仮復旧をし、恒久的な新堤防の本格工事に向けて準備を進めていた矢先、記録的な豪雨により、同日午後6時ごろに堤防は再び決壊してしまいました。
◇令和5年台風第2号と令和4年台風第15号の雨量比較
※令和4年の台風第15号の雨量は、令和5年の台風第2号の雨の降り始めに合わせて表示したものであるため、実際の時間とは異なります
◇市内での被害について
人的被害:死者1名
浸水被害:
・床上浸水18件
・床下浸水25件
(上野部、敷地など)
河川被害:2河川3カ所(敷地川、中川幹線排水路)
橋梁(きょうりょう)被害:1カ所(新屋橋)
土砂崩れ:1カ所(敷地)
道路被害:
・市道5路線9カ所
・県道1路線
・林道2路線
(虫生線、神田線)
農業被害:
・農地23カ所
・農業用施設15カ所
(6月30日時点)
■敷地川の復旧
市内北部を流れる静岡県管理の「敷地川」。6月2日の観測史上最大となった雨により、堤防が決壊しました。
翌日から静岡県による仮復旧工事が始まりました。国からも緊急災害対策派遣隊が派遣されるなど、関係機関が連携して、早期の復旧に取り組んでいます。
・6月2日 決壊した敷地川堤防
・6月6日 大型土のうの設置
・6月8日 仮設道路の設置
・6月21日 堤防に鋼矢板の設置
・6月26日 根固めブロックの設置
■皆さまからの温かい支援
今回も開設した「災害ボランティアセンター」には、昨年の台風第15号の時にもご協力いただいた方をはじめ、延べ200人を超えるボランティアの皆さまに活動していただきました。
土砂のかき出しなど、被災者から寄せられた約30件の支援依頼に対応することができました。
皆さまのご協力ありがとうございました。
■台風シーズン前、今のうちからできることを
◇災害発生時の情報収集
被害を最小限に抑えるためには、迅速に安全な場所に避難することとともに、情報収集も重要になってきます。市では避難情報や気象情報など、さまざまな情報を同報無線やホームページ、いわたホッとメール、LINEなどを通じて皆さまに発信しています。
また、大雨や洪水などの危険を視覚的に知ることができる「キキクル」や「サイポスレーダー」などを使って、自分が今いる場所は安全なのか、これから雨が激しく降ってくるのかなど、最新の情報を入手しましょう。
・雨による災害の危険度を地図上にリアルタイム表示
(気象庁ホームページ上で10分ごとに更新)
・土砂災害・浸水害・洪水それぞれの危険度を5段階に色分けして表示
◎気象庁「キキクル」
パソコン、スマートフォンから
【HP】https://www.jma.go.jp/bosai/risk/
◇皆さまからの情報発信
今年度から、(株)JX通信社と連携協定を締結し、ニュースアプリを活用して皆さまがSNS上に投稿した災害情報の中から、「磐田市」をキーワードに情報を集約するシステムを導入しました。これにより被害状況把握の迅速化や対応すべき事項の優先度を迅速に決定することができます。
利用方法など詳しくは、本紙29ページをご覧ください。