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きらり いわた人

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静岡県磐田市

2022年 改組第9回日本美術展示会(日展) 第2科(洋画) 特選
※日展では、過去12回入選
※その他、数々の展示会で受賞歴あり

■永谷光隆(ながたにみつたか)さん
1950年生まれ。漁師で生計を営みながら、地域の親子写生大会で描いた絵が入選したことをきっかけに絵を描き始め、ついに100年以上の歴史を持ち日本を代表する公募展「日本美術展示会(日展)」で特選を受賞。

◇本格的に絵を描き始めたきっかけ
自分が40歳くらいの時に、旧福田町でやっていた親子写生大会へ娘と参加して、入選したんです。その絵を見た知人から絵画クラブに誘われて入会したのがきっかけです。絵の技術は、このクラブと独学で学びました。入会から2年後にクラブの仲間から静岡県芸術祭へ出展を勧められ、それが入選したのをきっかけに、いろいろな展示会へ作品を出展するようになりました。

◇「漁師」と「絵描き」の二刀流
若い頃からシラス漁師として生計を立てていたので、ずっと本業は漁師です。ただ、漁は不漁の時もあり、疲労やストレスもあります。そういう思いも絵を描いていると、絵のことしか考えなくなり、嫌な思いは消えていくんです。自分にとって漁師と絵描きの二刀流は合っていたんですね。今は年を取ったから、本業は絵描きかな。

◇永谷さんの絵
私は、日常生活の中で何気なく「これは面白いな」と感じたものを絵の題材にしています。でもそれをそのまま描くのではなく、描きたいものを描きながら、浮かんでくるイメージを付け加えて、絵の中に自分なりの世界観を作り上げます。描写はできるだけ細かくして、他の人とは異なるものを描くようにしています。細かく描くのはすごく大変ですが、今の自分にできる最大限の絵にしようと、自分に挑戦しながら描いている感じです。
また、私の作品は油絵ですが、単に色をのせた絵ではなく、キャンバスにペンキや砂を使って凹凸を付けた下地に描いて、自分らしい絵にしています。

◇永谷さんにとって絵の存在
絵を描くことで同じ趣味の人と出会うことができ、評価されることで新しい景色を見ることができるんです。絵は、人とのつながりを生み出し、自分の世界を広げてくれるものかな。

◇これからの抱負
私にとって絵を描くことは、誰かのためでもなく、賞をとるためでもなく、自分のためなんです。なので、これからも今やれる精一杯の力で描いて、自分に挑戦しながら、今よりもっと良い絵が描けるようにしていきたいです。
それと、好きに絵を描いていられるのは家族の支えがあってのことです。これからも家族には感謝しなくちゃいけませんね。

◎日展 第2科 特選作品「命脈」
作業台の上に置かれたジャガイモから芽が伸びており、背面には歯車が噛み合う大きな時計が描かれている
※詳細は本紙P.18をご覧ください。

永谷さんの作品は、2023年12月12日~17日にクリエート浜松で知人とともに開催を予定している二人展でもご覧いただくことができます。
また永谷さんは、毎月第4土曜日の午後に中泉交流センターで仲間と一緒に絵を描いています。良ければ、見に来てくださいとのことでした。

       

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