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健幸 plus+ 市立総合病院からのお知らせ

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静岡県磐田市

■尿管結石症(にょうかんけっせきしょう)について
泌尿器科 松永悠(まつながゆう)

これから迎える夏に多い「尿管結石症」について、簡単に説明したいと思います。
結石はどうやってできるのでしょうか。結石の成分は「シュウ酸カルシウム」であることが多いとされています。シュウ酸というのは食べ物を消化した時の老廃物の一種です。これが腸から吸収され、血を巡り腎臓から尿に排泄されると、カルシウムとくっついて結石を作ります。
腎臓で作られた尿は尿管という管を通って膀胱(ぼうこう)にたまります。この尿管の途中で結石が引っかかると「尿管結石症」となり、尿が流れにくくなって腎臓に圧力がかかります。この圧力がいわゆる「人生最大の激痛」につながります。引っかかることで痛みが出るわけではないのです。実際に尿管結石症となっても尿の流れが良く痛みが全く出ない人もいます。
尿管結石症自体は命に関わる病気ではないので、多くは痛み止めなどを使いながら自然に石が出るのを待つことになります。診断から1カ月以上石が出ない場合や、石の大きさが1cm以上あるときは、内視鏡による手術や、衝撃波を使って石を割ることを検討します。
尿管結石は予防が肝心です。この病気が夏場に多く起こるのは、脱水によって尿が濃くなるからと言われています。ぜひ水分摂取を心がけましょう。また、食生活も重要です。肉や魚、アルコールの過剰摂取は避けましょう。カルシウムを摂取すると結石ができやすくなりそうに思えますが、腸の中のシュウ酸にくっついて吸収を抑えるため、むしろ予防に繋がることがわかっています。
激痛にさいなまれる前に、食事や水分摂取に気をつけて結石を予防しましょう!

       

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