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■帯状疱疹(たいじょうほうしん)と帯状疱疹ワクチンについて
麻酔科部長 山口昌一(やまぐちまさかず)
帯状疱疹は水ぼうそうと同じウイルスで起こる皮膚の病気です。体の左右どちらかの神経に沿って痛みを伴う皮疹(ひしん)が出現しますが、目や耳に症状が現れることもあります。80歳までに約3人に1人が発症するといわれています。皮膚の症状が治ると痛みも消えますが、神経の損傷によって強い痛みが続くこともあります。痛み以外にもさまざまな後遺症が残ることがあるため、早く治療を開始することが大切です。強い痛みが2〜3週間続く場合には、ペインクリニックなど痛み専門の医療機関を受診することをお勧めします。一般的な鎮痛薬に加えて、漢方薬や麻酔薬を注射する神経ブロックなどの治療法もあります。
50歳以上の方はワクチン接種により発症や後遺症を予防することができます。生ワクチンと不活化ワクチンがありますが、予防効果や費用などが異なります(下表参照)。生ワクチンは病原体となるウイルスの毒性を弱めて製造されています。不活化ワクチンは病原体を構成する物質をもとにして製造されています。接種を希望される方は、当院のペインクリニック外来にお気軽にお問い合わせ下さい。