文字サイズ

健幸 plus+ 市立総合病院からのお知らせ

31/38

静岡県磐田市

■膝(ひざ)の痛みの原因となる変形性膝関節症~治療法の紹介と工夫~
整形外科部長 猿川潤一郎(さるかわじゅんいちろう)

変形性膝関節症は膝関節の軟骨が年齢とともに摩耗し、膝屈伸や歩行に支障をきたす疾患です。初期症状は違和感や軽い痛みがある程度ですが、進行すると歩行や階段昇降、正座を行うときに膝関節に痛みが出るようになり、重症例では日常生活での動作が著しく制限されることがあります。
変形性膝関節症の治療には膝周囲の筋力強化を中心とした運動療法、痛み止め内服やヒアルロン酸の関節内注射などの薬物療法、足底板などの装具療法を用いた保存療法と骨切り術や人工膝関節置換術などの手術療法があります。
人工膝関節置換術は摩耗や変性をきたした膝関節内の軟骨や骨を人工の関節に置き換えることにより、痛みをなくすことを目的とした手術ですが、この手術は整形外科手術の中でも術後の疼とう痛つう(痛み)が比較的強い手術の一つとされています。術後の疼痛コントロールがうまくいかないと、リハビリテーションが進まず十分な膝関節機能の改善が得られず満足度を低下させることになります。
そこで当院では術後疼痛を緩和させる目的で手術の直前に痛みを支配している膝周囲の神経に持続効果のある局所麻酔薬を注入する神経ブロックや、手術中に局所麻酔薬やステロイドなど複数の薬液を膝関節周囲に注入する関節周囲多剤カクテル注射という手法を用いて患者さんの術後の痛みを軽減させることで、治療に対する満足度向上につなげる取り組みを行っています。
変形性膝関節症に対して患者さんに合った治療を提案いたしますので、膝の痛みでお困りの方はぜひ一度受診をご検討下さい。

       

磐田市より市民のみなさまへ大切な情報をいち早くお届けします。 広報プラス -広報いわた-

MENU