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■いっしょに読もっ
『黒ねこのおきゃくさま』
ルース・エインズワース/作
荒このみ/訳
山内ふじ江/絵
福音館書店
◇寒い夜の、あたたかいお話
ある寒い夜のこと。一人暮らしの貧しいおじいさんの家に、突然黒ねこがやってきました。やせこけて、びしょぬれで、ひもじそうに鳴いています。おじいさんは、自分の大事な食べ物を少し分けてあげました。でも黒ねこはまだ足りなさそう。さらに大きな声で鳴きだしました。
絵本『こすずめのぼうけん』(福音館書店)などでおなじみの、ルース・エインズワースの幼年童話です。黒ねこの仕草や必死に鳴く姿、またおじいさんの心境が、とても丁寧に描かれています。柔らかいタッチの挿絵も魅力的。みすぼらしかった黒ねこが、もてなしを受けて美しく立派になっていくのが見てとれます。結局、食べ物も薪もすべて黒ねこにあげてしまったおじいさん。それでも、このお客様と過ごしていれば、あたたかくて幸せ。二人が暖炉の前でゆったりくつろぐ場面が印象的です。
寒い季節におすすめのお話です。最後には奇跡のような出来事が待っています。5歳くらいから楽しめます。
問合せ:中央図書館
【電話】32-5254
ページ番号:1001754