世の中が大きく動いた昨年。
「安心できるまち、人が集まる磐田市」を目指して
これからの磐田市への思いを草地市長に聞きました。
◇昨年を振り返って
夏に磐田市民文化会館「かたりあ」が開館しました。明るく開放的な空間で、本物の芸術や多様な文化に触れることで、新しい価値に出会い、多くの市民の皆様に愛される施設になっていくことを期待しています。その他にも、こども医療費の完全無料化や成年後見支援センターの開所など、市民の皆様の「安心」につながる事業を着実に実施することができました。
また、静岡産業大学女子サッカー部の全国準優勝や磐田東高校サッカー部の県大会優勝、静岡SSUボニータの1部昇格など、本市が誇る「スポーツ」の力で活気づく年となりました。若い世代の活躍をとてもうれしく感じています。一方で、ジュビロ磐田、静岡ブルーレヴズは苦しいシーズンとなりましたが、今シーズンも、積極的に盛り上げていきたいと思いますし、ジュビロ磐田は、ぜひ1年でJ1に昇格できるように願っています。
毎年、1年を振り返っての印象を漢字一文字で表しています。令和4年は「支」としました。ご存じのように、昨年9月に磐田市を襲った台風15号は、土砂崩れや床上床下浸水など多くの爪痕(つめあと)を残しました。現在は復興へと着実に歩みを進めておりますが、これは多くの「支える」力があってのことです。さまざまな形で、ご支援、ご協力を賜りました市民の皆様に深く感謝申し上げます。
◇学びの中からのまちづくり
昨年、新たな学びの場を作ることを目的に校舎のない学び舎「磐田ここからラボ」をスタートさせました。これは一生学び続けることが大切だと考えている私にとっても大きなことです。新たな学びとの出会いや、文化・芸術などの感性に触れる豊かな体験は、世代に関係なく、胸を躍らせるものです。
市民の皆様には、ぜひ、こうした学びの場へ積極的に参加し、新たな知識や考え方に触れていただきたいと思っています。それによって、学びによる市内外の交流を広げていくことで、多様な人材を引き付ける新たなまちづくりの芽を育てていきたいと思います。
また、昨年の台風15号の経験から、災害時でも現場の声に速やかに対応することや、新しい情報に対してアンテナを高くし、素早く反応することが市職員として重要だと感じていますので、こうした視点からの市職員の育成にも力を入れていきます。
◇これからのまちづくり
私は「安心できるまち、人が集まる磐田市」を目指しています。市民一人ひとりにきちんと寄り添える市や地域となり、安心できる暮らしを土台に、新しいことに出会うワクワク感を感じて、人が集まるまちにしていきたいと考えています。
本市の総合計画後期基本計画では「5つの安心プロジェクト」として「子どもたちの安心」、「暮らしと健康の安心」、「まちづくりと防災への安心」、「未来と仕事の安心」、「安心できる市役所づくり」を政策推進の柱として設定しています。今年はさらに施策として磨きをかけ、5つの重点方針「子どもの笑顔がもっと広がる、支えあいの地域づくり」、「全世代型のデジタル活用ウェルビーイング」、「サスティナブル社会へ・SDGsと施設マネジメント」、「まちぐるみで学びの機会を共創」、「台風15号を教訓とした減災・防災対策」に沿った事業展開を考えています。
■一人ひとりが「安心」を実感できるまちづくり
◇安心をつくり、次世代につなげる
5つの重点方針のなかにある「子どもの笑顔」や、幸福な状態を表す「ウェルビーイング」、持続可能を意味する「サスティナブル」といったキーワードは、「安心」できるまちの実現に不可欠であると考えます。コロナ禍になってから「子どもの笑顔」を見ることが少なくなったと言われますが、磐田市ではいつでもどこでも子どもたちの笑顔があふれている、そんなまちを目指します。また、若者の出会いを創る事業も行っていきます。そして、今だけの安心ではなく、次世代に続く幸せを意識することが大切です。いくつになっても自分を表現できる場を探せるまちにしたいと考えています。そして市民の皆様が安心してチャレンジできる環境をつくっていきます。
◇市民の皆さんへ
台風15号の被災者の皆様には継続的な支援を行い、最後の一人まで支えていきます。また、磐田市の全ての市民の皆様が幸せを実感できるよう、2023年も引き続き「安心できるまち、人が集まる磐田市」を合言葉に市政運営に努めてまいります。
市民の皆様には健康に気を付けていただき、幸せな1年になることを心より願っています。