●AKIRAから見た故郷の現在(いま)
[市長]磐田を離れて20年ぐらいですか。
[AKIRA]そうですね。
[市長]離れたところからみて、現在の磐田にどの様な印象をお持ちですか。
[AKIRA]やはり一番は磐田のスポーツ選手が活躍していることですね。磐田市出身のオリンピック選手もそうですし、格闘家の方もそうです。そういったスポーツのまちというのは離れた場所からでも情報が入ってきますね。
[市長]RIZIN(ライジン)(格闘技の大会)で活躍している磐田市在住の格闘家、ホベルト・サトシ・ソウザ選手やクレベル・コイケ選手たちですね。
[AKIRA]そうですね。僕は格闘技が好きなのでテレビ観戦するのですが、ソウザ選手やクレベル選手の紹介で静岡県とか磐田市とか出るじゃないですか。もうそれだけであたかも自分の知り合いかのように「これは磐田の選手だぞ」って隣の妻に自慢してます(笑)。そのぐらい静岡っていうワードより、より具体的に磐田と出るとすごく親近感が湧きますね。
[市長]離れてからもずっと見守ってくれているということは大変うれしいです。
[AKIRA]エンターテインメントの仕事をしていると故郷に帰るタイミングってなかなか難しいのですが、EXILETRIBEのリーダーとして組織の中心でいろいろと活動している中で、社会貢献という面でもより力を入れていきたいですし、地域の方々とも何か触れ合えることがあったら、素敵だなと思います。

●コロナ禍での活動で感じたこと
[市長]話題を変えて新型コロナウイルスの関係のことをお聞きしたいと思います。どんな思いでこの間活動されてきたかというところをお話いただけますか。
[AKIRA]緊急事態になった時には、衣食住が最優先でエンターテインメントというものはやはり二の次の存在です。すごく自分たちの存在意義を見つめ直した期間でしたが、僕たちEXILEは常にピンチをチャンスにというポジティブマインドでどんな局面も乗り越えてきた軍団ですし、2011年の東日本大震災の時と同じようにエンターテインメントの力を信じて「日本を元気に」という熱い魂を持って歩んでいくことが大事なのかなと思いました。ライブを再開するにあたっては迷いもありましたが「Save(セーブ)　Your(ユア)　Neighbor(ネイバー)」(みんなで守りあおう)というテーマを掲げて、ファンの皆さんもその合言葉をしっかりと持ち帰って自分の家族や職場、学校の仲間などに伝えてくださったこともありました。すごくファンの皆さんに学ばせていただきながらエンターテインメントの再開ができたと思います。

●磐田から世界へ　新しい未来へ
[市長]最後に、これからの磐田市に期待することを伺えますか。
[AKIRA]期待することですか。市長さんは何かありますか。
[市長]私は多様性というのを大事にしています。学生の時、居場所がない同級生がたくさんいました。AKIRAさんはダンスという居場所を作ることができたと思いますが、居場所ができず苦しんでいる子どもが今もたくさんいます。ですから、子どもたちには居場所をきちっと作ってあげたい。文化でもスポーツでも何でも良いので、自分の居場所が必ずこのまちにあるような安心できる磐田市にしていきたいと思っています。
[AKIRA]素晴らしいですね。今、さまざまな境遇と向き合っている方々がいると思います。ですが、決して希望を見失わず、市長さんがおっしゃったように、とにかく、チャレンジ精神を忘れず何でも挑戦して欲しいです!そして自分の居場所を作ってほしいですね。特に若い皆さんは、僕が磐田で夢を抱いていた頃よりも夢を叶える手段や、自分の「居場所」の作り方は、はるかに方法が増えていると思います。YouTubeやSNSの活用の多様性はもちろん、芸術やファッション、クリエイティブ職、その他専門職や技術職など適職を見つける幅も広がっているかと思いますし、その情報網も今では沢山あるかと思います。自分次第で、誰でも夢を叶えられる環境を自分たちで作れると思います。磐田から世界に羽ばたいていけるような、それぐらいチャンスがある世の中です!コロナ禍でまだまだ大変な状況下ですが、ピンチをチャンスに、乗り越えた逆境の数だけ強くなれると信じて、その先にある新たな未来を見据えて力強く歩んでいってもらえたらと思います。僕もさらなる夢に向かって頑張ります!
[市長]ありがとうございます。
[AKIRA]磐田の懐かしい話ができて楽しかったです。あと2時間ぐらいはいけそうなんじゃないかな(笑)。
[市長]いけますね。次は直接お会いできることを楽しみにしています。
[AKIRA]そうですね。ぜひこれを機に磐田の皆さんといろいろなつながりを持てたらと思いますし、コロナ禍が落ち着いたら市長さんのところにも会いに行きます。今後ともよろしくお願いします。

《EXILE(エグザイル)　AKIRA(アキラ)》
1981年生まれ
磐田市出身
パフォーマーとしての活動に加え、映画、ドラマ、舞台などさまざまな分野で活躍。
2022年1月1日、EXILEオリジナルアルバム「PHOENIX」リリース。
5月まで「EXILE 20th ANNIVERSARY EXILE LIVE TOUR 2021 “RED PHOENIX”」開催中。
取材協力・写真提供　株式会社LDH JAPAN