私たちが住む地域には、さまざまな国籍・文化・年齢・性別の方が暮らしています。その誰もが「毎日を自分らしくいきいきと暮らすことができるまち」にするため、多様性を尊重し、認め合うことが必要です。
「性のあり方」もさまざまで、人それぞれが持っている個性と同じように異なります。自身の性に対する考えを見つめ直し、全ての人が自分らしく暮らすために何ができるのか考えてみましょう。
■ステップ1 多様な「性」を知ろう
性は「男性」「女性」だけではありません。人の数だけ存在します。
日本では、性別は出生時の身体的な特徴などにより判断されますが、自分で認める性や表現の仕方は多様であり、「男」「女」の2つの性別だけで区別することはできません。
性の多様性を正しく理解するには、性は「4つの要素」から成り立っていることを知る必要があります。4つの要素の組合わせや表れ方はひとりひとり異なり、性のあり方はグラデーションです。
・要素(1) 戸籍の性
戸籍上の性別は男女のどちらか
・要素(2) 性的指向
恋愛感情や性的な関心がどの性別に向いているか
・要素(3)性自認
自分の性別をどう認識しているか
・要素(4)性表現
服装やしぐさなど自分の性をどう表現しているか
※詳細は本紙4ページをご覧ください
●「LGBT(エルジービーティー)」とは性的マイノリティの総称の1つです
[L]レズビアン(Lesbian)
女性として女性を好きになる人
[G]ゲイ(Gay)
男性として男性を好きになる人
[B]バイセクシュアル(Bisexual)
異性を好きになることもあれば同性を好きになることもある人
[T]トランスジェンダー(Transgender)
戸籍上の性別と性自認が一致しない人
LGBT以外にも「自分の性自認や性的指向がわからない、定まっていない人(クエスチョニング)」や「他人に性的関心を抱かない人(アセクション)」など、さまざまな人がいます。
日本人のLGBTの方はおよそ11人に1人※と言われています。これは日本人における左利きの方とほぼ同じ割合です。
※電通ダイバーシティ・ラボ(2021)「LGBTQ+調査2020」より
●「SOGI(ソジ)」とは「性的指向」と「性自認」のことです
[S]セクシャル(Sexual) [O]オリエンテーション(Orientation)
性的指向
[G]ジェンダー(Gender) [I]アイデンティティ(Identitiy)
性自認
LGBTがレズビアン、ゲイなどの「人」を指すのに対し、SOGIは「どんな性別の人を好きになるか(性的指向)」「自分をどんな性だと認識しているか(性自認)」という「状態」を指し、誰もがSOGIの中の1人です。
SOGIは2006年に「ジョグジャカルタ原則(性的指向や性自認に関する国際人権法の適用に関する原則)」が策定されて以来、国際的に用いられている言葉です。
■ステップ2 できることからはじめよう
学校・職場・家庭・地域など、日常生活のさまざまな場面において、LGBTの方が身近にいることを知り、これまでの意識を見直してみましょう。ひとりひとりができることからはじめることで、誰もが気持ちよく暮らせるまちにつながります。
(1)差別的な言動をしない
自身のこれまでの性に対する認識や日頃の言動を振り返り、偏見や先入観がないか見つめ直してみましょう。
(2)本人の了解なく周囲に伝えない
本人の了解なく性的指向や性自認について、周囲に伝えてはいけません。本人が何を望み何に困っているかなど、十分に確認しましょう。
(3)性別を限定する言葉に気を付ける
(例)
彼氏/彼女→恋人、パートナー
お父さん/お母さん→保護者の方
○○君/○○ちゃん→○○さん
(4)そっと注意しよう
誰かが差別的な言動をしていたら、そっと注意しましょう。周りに合わせて一緒に笑ったり、同調したりしてはいけません。差別的な言動から当事者を守ることが大切です。
◆関係者の声
○磐田市男女共同参画審議会長
鈴木 まり子さん
男女共同参画社会を実現するためには、誰もが「自分らしく」生きることができる環境づくりが必要です。性別記載欄の廃止やガイドブック作成などの市の取り組みから、市民が性の多様性に関する理解を深め、市民ひとりひとりが主体的に「私に何ができるだろうか」と考え、行動するきっかけづくりになることを期待します。
○にじいろ安場(あんば) in 浜松
袴田 くるみさん
ジェンダーや性の多様性に関する知識を持つことは、周囲の人や自分自身を大切にすることにつながります。市の取り組みや今回の記事は、性の多様性について考えたり話したりするきっかけになるはずです。自分が当事者である・ないに関わらず、性の多様性が身近で重要なものだという意識が多くの人に広まったら良いなと思います。
◆市の取り組み
・性別記載欄の廃止など行政サービスの見直し
・誰もが安心して使える公共施設を推進
・小中学校の制服など児童生徒の多様性を尊重
・性の多様性に関する手引き「虹色ガイドブック」を作成
◆専門の窓口
○よりそいホットライン
(毎日 24時間対応)
【電話】0120-279-338
○ふじのくにLGBT電話相談
(毎月第1火曜・第3土曜 午後6時~10時)
【電話】0120-279-585
○にじいろ電話相談
(毎月第2土曜 午後2時~5時)
【電話】054-248-2216
[ページ番号:1010567]
問合せ:地域づくり応援課(本庁舎2階)
【電話】0538-37-4811
【FAX】0538-37-2353