■大クスの下から
市長 草地 博昭
◇令和の新しい「文化の扉」が開きます
新磐田市民文化会館「かたりあ」の開館記念式典が7月30日に、開館記念公演(こけら落とし)が8月2日に決まりました。こけら落としは狂言師の野村万作(まんさく)、萬斎(まんさい)親子に飾っていただくこととなりました。狂言は、室町時代から続く日常生活を喜劇として表現するもので、上演される演目「三番叟(さんばそう)」はおめでたい節目で上演される儀式舞(ぎしきまい)のことです。
振り返ると、昭和54年に建設された旧市民文化会館のこけら落としは坂東玉三郎さん、小松原庸子(ようこ)舞踏団、そしてNHK交響楽団と続いたようです。本物の芸術表現に接することで、感性を磨いてほしいという市民への思いが込められています。
先日、市内で、静岡県舞台芸術センター(SPAC(スパック))の宮城聰(さとし)総監督の講演を聴く機会がありました。「演劇を見ることで、自分と他者の考え方や価値観の違いに気づくことができる。そして、その多様性を認め合ってこそ、地域にさまざまな人材が集まり、新たな可能性も見いだせるようになる。文化は多様性を育み、多様性は新たな地域の可能性を掘り起こす」という主旨のお話を印象深く記憶しています。
「かたりあ」のオープンイヤーシリーズでは、その劇団SPACによる公演も予定されています。1年をかけて市民の皆さまに、これまで以上に文化芸術に触れていただき、多様な感覚を「語り合ってほしい」と願いを込め、さまざまな催しを企画していきます。
夏の開館をぜひ楽しみにお待ちください。