■高度化する消化器がん医療への取り組み
消化器内科・科長
瀧浪(たきなみ) 将貴(まさき)
当院は、高度ながん医療を提供する、地域がん診療連携拠点病院に指定されています。急速に進歩する医療に対応した当科の診療体制をご紹介します。
消化器系のがんの中で、胃がん・大腸がん・膵(すい)がんなどは、患者さんの病状に合わせて治療効果が期待できるがん治療薬を選ぶため、遺伝子検査が行われるようになってきています。この結果によって新しいがん治療薬が適正に使用される時代になっています。
また、ノーベル賞で有名になった「オプジーボ」をはじめとしたがん免疫治療薬も適応が拡大し続けており、2種類のがん免疫治療薬の併用療法、従来の殺細胞性抗がん薬との組み合わせ、術後の再発を減らすための補助療法が新しい治療となりました。最新の治療を常に把握するために、学会・研究会へ積極的に参加しています。
当科は、がん医療の発展に貢献するため、がん免疫治療の副作用における肝機能障害について、代表機関として静岡がんセンター・浜松医科大学・聖隷浜松病院と共同研究を行っています。一方、新しい治療の増加に伴い、従来とは異なるタイプの副作用が問題となっています。これに対応するため、さまざまな診療科と職種からなる医療チームを立ち上げ、医療を受ける患者さんに安全・安心な薬物療法を提供できるよう努めています。
当院では、患者さん一人一人の状態に合わせた最適な医療を提供できるよう常に準備をしています。