◆衛生的で快適な生活と水環境を保つために
市では条例に基づき、水道・下水道の事業運営について審議する「磐田市上下水道事業審議会」を設置し、市長からの諮問(しもん)に応じ、昨年8月から今年8月まで7回にわたり、水道料金や下水道使用料のあり方について、慎重な審議が行われました。審議会で整理された各事業の課題は次のとおりです。
●下水道事業の課題
▽人口減少による使用料減少
磐田市の人口は年々減少しており、有収水量※の減少に直結することから、使用料の減少は避けられない状況である。
※使用料徴収の対象となった水量
▽建設改良費の増大
施設の一部が設置から40年を超えており、未整備地区の下水道整備に加え、今後は老朽化した施設の改築や更新に必要な建設改良費が増加することが確実である。
▽経費回収率※の向上
経費回収率は100%を大きく下回っており、汚水処理にかかる経費を使用料で賄(まかな)えていない。
※使用料で回収すべき経費をどの程度賄えているかを示す指標
▽多額の一般会計繰入金
財源の不足を補うために、令和3年度決算では、約31億円(一般会計が負担すべき分を含む)を繰り入れており、一般会計の大きな負担となっている。
●下水道使用料改定の必要性
下水道事業は今後も経費回収率100%を下回ると予想されるため、経営健全化に向けた改善が求められる。一般会計の大きな負担となっている繰入金を低減し、本来の姿である自立した経営を目指して使用料の改定により事業収入を確保する必要があると考えられる。
●水道事業の課題
▽人口減少による給水収益減少
下水道と同じく、人口減少に伴い給水収益の減少は避けられない状況である。
▽有収率※の向上
重要度の高い主な管路を優先的に更新してきたため、施工費が高額でありながら漏水改善による有収率の向上が目に見えて現れていない。
※料金徴収の対象となった水量の割合
《審議会からの答申》
上下水道事業の現状や今後の見通し、課題などを踏まえ、9月5日に答申書が提出されました。その中で、水道・下水道いずれも市民の安心・安全のため、必要な施設整備と維持管理を適切に実施することで、安定したサービスを将来にわたり提供することが重要であるとされています。そのうえで、それぞれの事業における料金の見直しについての意見は次のとおりとなっています。
◇下水道事業
公営企業の基本原則は独立採算制であることから、一般会計からの繰入金に過度に依存しない健全な事業の運営が求められます。その財源確保のためにも、『利用者の過度な負担増を配慮したうえで使用料の改定が必要』です。また、『使用料が異なっている敷地地区についても今回の改定に合わせて使用料の統合が望ましい』との結論に至りました。
◇水道事業
平成30年度の料金改定により、今後5年間は安定した財源を確保できる見通しであることから、『料金は現状を維持するのが妥当である』との結論に至りました。
[ページ番号1002750]
問合せ:上下水道総務課(福田支所2階)
【電話】0538-58-3082
【FAX】0538-58-3123