■草地博昭 市長
市長就任後、初めての年越し。
昨年を振り返り、新年の抱負など率直な思いを伺いました。
◆昨年を振り返って
市長就任以来、記憶の中心にあるのは、大部分が新型コロナによる緊急事態宣言下での感染防止の対応やワクチン接種です。市民の皆さんにも、不安に感じる日々の中で、ご協力をいただいたからこそ、徐々にではありますが、日常を取り戻すことができていると思っています。本当にありがとうございます。
就任した直後には、県内で突風や土砂災害が発生しました。市民の生命と財産を守るのは市長のの使命です。海岸堤防の完成を3年前倒しして令和8年度完成予定とすることや旧豊田支所を改修した防災備蓄ステーションの完成などハード面の整備が進んでいますが、防災訓練などのソフト面の強化も非常に重要だと考えています。
◆スポーツのチカラ
東京2020オリンピックで磐田市出身の水谷隼選手、伊藤美誠選手の磐田ペアが卓球混合ダブルスでの金メダルをはじめ、多くのメダルを獲得してくれました。総合格闘技でも、磐田市在住のホベルト・サトシ・ソウザ選手とクレベル・コイケ選手が躍動し、ジュビロ磐田もJ1昇格、J2優勝を決めてくれました。市民の皆さんも喜んでくれて、市長としても素直にうれしかったです。
磐田市にゆかりのある多くの選手の活躍もあって、民間調査会社のランキングでは、スポーツのまちの部門で全国第1位になりましたが、これからもやれること、やるべきことがあると考えています。
◆大切にしたい思い
私は「安心できるまち、人が集まる磐田市」を目指しています。磐田市出身のパナマ運河建設工事に携わった唯一の日本人、青山士(あきら)氏は「私はこの世を、私が生まれたときよりもより良くして残したい」と伝えています。私も、これから生まれてくる未来の市民に、安心できる暮らしが当たり前のように続く磐田市を残したいと考えています。持続可能なまちにしていくためには、人に選ばれるまちにしていかなければなりません。
未来を担う子どもたちへの支援はもちろんのこと、磐田市には高齢者や外国人、単身世帯など多様な生活を送っている方がいます。そんな磐田市を誰一人取り残すことなく、それぞれが自分の居場所と感じられる、自分らしい生活ができるまちにしていきたいと考えています。
◆新年の取り組み
まずはじっくり土台から作っていく「安心の土づくりと未来への種まき」という位置付けで取り組んでいきます。そのために、特に力を入れていきたいことが3点あります。
1点目は、民間活力を取り入れていくことです。令和3年中にも取り組んできましたが、公民連携を推進し、外部の団体や企業が持つ技術やノウハウを活用して、地域課題の解決や子育て支援など、新たな価値を創造していきたいと考えています。
2点目は、学ぶ機会の創出です。市民の皆さんや子どもたち、企業などの好奇心をくすぐったり、新しいものに出会うワクワク感や刺激を与えたりできる場を提供していきたいと考えています。
3点目は、公共施設やインフラの維持管理の先手対応です。施設などの老朽化対策を計画的かつ効率的に推進して、持続可能な運営を図っていきたいと考えています。
それらに加えて、就任当初から掲げている「対話」は引き続き大切にしていきます。できる限り市民の皆さんと直接話す場をつくり、市政情報を説明して、皆さんも一緒にこれからの磐田市について考えていただきたいと思います。
少子高齢化、情報通信技術の進展、自然災害の激甚化(げきじんか)など取り巻く環境が大きく変化しています。その中で生活をする市民の皆さん一人一人の意見や思いに寄り添い、変化をチャンスに変え、しなやかに対応できるよう取り組んでいきます。
◆新型コロナ対策
新型コロナワクチンの3回目接種は着実に進めていきます。第5波までの取り組みを検証して課題を明確にし、問題点に対しては、これまでも連携している県や医師会、薬剤師会などと対話をしながら一つずつ解消していきます。新たな変異株や国の動向など、新しい情報に注視して、磐田市の実情を把握しながら臨機応変に対応していかなくてはいけないと考えています。
◆市民の皆さんへ
今年の夏には新たな磐田市民文化会館「かたりあ」が開館します。市民の皆さんに利用され、愛される施設にするためにさまざまな企画を考えていますので期待していてください。
サッカーのジュビロ磐田はJ1で、ラグビーの静岡ブルーレヴズも新リーグでの新たな戦いが始まります。市民、サポーター、ホームタウンが一丸となって応援していきましょう。
新年は市民の皆さんとともに、新型コロナという難局を乗り越えて、磐田市に関わる全ての人たちが、未来に向かって希望が持てるような1年にしていきたいと思っています。
市民の皆さんも新型コロナに対し、基本的な感染症対策を徹底して、健康に気をつけていただき、幸せな1年となることを心より願っております。