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健幸 plus+『市立総合病院からのお知らせ』

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静岡県磐田市

■今日から禁煙しましょう
呼吸器外科・医長
沖 智成(おき ともなり)

現在、日本における死因の第1位は悪性新生物(がん)となっています。その中で肺がんの占める割合は、男性で24%、女性は14%となっており、男性で1位、女性では大腸がんに次いで2位となっています。

肺がんの原因として最もリスクが高いものが喫煙です。男性喫煙者は、非喫煙者に比べて死亡率は4・5倍、女性では4・2倍になり、喫煙本数の増加に伴い、さらに増加します。また受動喫煙も危険であり、夫が喫煙者であった場合、妻は非喫煙者であっても、受動喫煙により肺がんの発症リスクが1・5倍になります。肺がんを発症した場合、治癒が期待できる場合は肺の切除術を行うことになりますが、喫煙者は術後合併症を起こすリスクが高くなります。喫煙者は痰(たん)の量が多く、痰を出す能力も低下しているため、術後に肺炎を起こす危険が高まります。傷の治りも悪く、肺表面の傷が治らない場合は入院が長期に及ぶ可能性があります。また、もともとの肺の機能が低下しているため、そもそも手術に耐えられない場合や、術後の生活に酸素が必要になる場合もあります。

喫煙を続けることは、健康面でのメリットが一つもありません。肺の組織は再生しないので、喫煙により一度壊れてしまった肺は元には戻りません。しかし、禁煙することにより、これ以上肺が壊れるのを防ぐことができます。さらに、喫煙者が発がんリスクを非喫煙者のレベルまで下げるには20年以上の禁煙が必要とされています。

喫煙は、止める年齢が若ければ若いほど効果は高くなります。喫煙者の方には、今すぐに禁煙することをお勧めします。

       

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