■大クスの下から
市長 草地 博昭
◇新型コロナウイルスとの闘い
現在、私たちは新型コロナウイルスという未知なる敵との闘いの真っ最中です。人類はこれまで多くの感染症と闘い、勝ち抜いてきたからこそ今の私たちがあり、またDNAにもその闘いの記録や免疫が刻まれているはずです。
磐田市には、遠江国分寺跡があります。小学校で学ぶ「国分寺」は、天平13年(741年)、災害や天然痘(とう)が多発する中、病などをおさめ、国を護(まも)ることを目的として、全国に建立(こんりゅう)するよう詔(みことのり)が出されました。寺院を建て、祈りを捧げても病そのものは治らないかもしれませんが、当時の方々からすれば、必ず治ると信じ、何としてでも国難を乗り越えようとされていたのでしょう。
国分寺跡を市役所から眺めていると、感染症とは、病そのものの怖さと、「混乱」や「不安」による心が不安定になる怖さがあり、その2つの恐怖と向き合った当時の方々の残してくれた大切なメッセージを感じます。ウイルスを抑えるためには、ワクチンや医療をはじめとした最新の医学も大切ですが、天平時代の方々が国分寺を建て、「心」と向き合ったように、このウイルスと向き合う私たち一人ひとりの「心」の在り方が試されていると感じています。
私は、これまでの人類がウイルスとの闘いを乗り越えてきたように、必ず私たちにもそのような日が来ることを確信しています。1日も早くその日が来ることを信じみんなで乗り越えていきましょう。