-東海高校総体でアベック優勝!-
●磐田東高等学校
真剣さの中にも、
剣道そのものを楽しむ心を忘れない
それが僕たちの強み
●磐田西高等学校
「挑戦者」であること
「挑戦者」であり続けること
それが私たちの強み
今年6月に行われた東海高等学校総合体育大会の剣道競技で、男子団体は磐田東高等学校(以下、磐田東)が、女子団体では磐田西高等学校(以下、磐田西)が優勝を果たしました。磐田東は全国高等学校剣道選抜大会に6年連続出場、磐田西は静岡県高等学校総合体育大会剣道競技で20年連続優勝の成績を収めています。伝統を持つ両校に話を伺いました。
▽常勝チームとしてのプレッシャーはありましたか?
[東] 僕たちは両親や兄弟が剣道に携わっていたこともあって、物心ついたときから剣の道を歩んでいました。剣道を極めたくてここに来たので、最初から「勝って当たり前」という雰囲気がありました。それでも、先輩方が築き上げてきたものを、僕たちも受け継いで守っていかなければならないので、そうした意味でのプレッシャーはありました。
[西] 勝ててほっとした気持ちの方が大きかったと思います。歴代の先輩方が積み上げてきたものはとても大きいですし、私たち自身「絶対に負けたくない」という気持ちを共有していたので、全員で乗り越えられました。
▽特別な練習法はありますか?
[東] 平日は2時間半、土・日は3時間半練習しています。特に「送り足」と呼ばれる動作を毎回行っているのは、県内でも磐田東だけだと思います。また、1年生のときに行われる「鍛錬(たんれん)期」は、数日みっちりと稽古をつけてもらうので、その時はさすがに全員ぐったりしていました。
[西] 「切り返し」と呼ばれる基本の動作を50回必ず行っています。特に、大会前1カ月は厳しい稽古を組み、その日が近づくにつれてその厳しさは増していきます。心が折れそうになることもたびたびありましたが、忍耐力が付きました。
▽辛いとき、チームの支えになったのは何ですか?
[東] メンバーはみんな抱え込まない性格ですし、先生からも「立ち止まっても意味がない」とよく言われるので、基本的に引きずるということはあまりないです。加えて、僕たちは寮生活をしていることもあり、辛いことも苦しいこともみんなで共有できる間柄に助けられています。
[西] 同じ目標「インターハイでベスト8になること」を共有できる仲間の存在が一番大きかったです。全員が同じ目標に向かったので、辛いことがあっても「こんなことで折れている場合じゃない」と思えたし、良いことも悪いことも言い合えるようになりました。衝突することもありますが、このチームだからこそ、どんな荒波が来ても、乗り越えられたんだと思います。
▽取材を終えて
両校とも、言葉の端々から、剣道への熱き思いを強く感じられました。また、コロナ禍という現状でも、ひたむきに稽古に打ち込み、切磋琢磨する部員の輝かしい姿に胸を打たれました。