強さの証明である
チャンピオンベルト、トロフィー、メダル
それらを手にできた者は
試合に勝つだけではない
本当の強さを知っている
だから強い
~「総合格闘技のまち」磐田市へ~
令和3年6月13日、テレビで「静岡県磐田市」の言葉が飛び交いました。理由は、東京ドームで行われた総合格闘技の試合(RIZIN(ライジン).28)で磐田市在住の2人が、それぞれ素晴らしい勝利を収めたからです。今回は、「スポーツのまち」である磐田市に新しい風を吹き込んでくれた2人をご紹介します。
■ホベルト・サトシ・ソウザ選手
1989年9月19日生。磐田市在住。ボンサイ柔術所属。
日系ブラジル人で、父が創設して兄が日本で指導しているボンサイ柔術(ブラジリアン柔術)の手伝いをするため、18歳の時に来日。
現REBELスーパーライト級王者。
現RIZINライト級王者。
◇チャンピオンとなりその強さを証明したサトシ選手
来日当初は工場で働きながらジムで柔術の指導をし、自らも鍛えていました。国内外の大会で優勝を重ね、世界的な格闘家へ成長していくと、日本で最大規模の総合格闘技の試合RIZINにも参戦。ここでも勝利を重ねて、ついにタイトルマッチの舞台を迎えます。この試合で、ムサエフ選手に得意の絞め技で勝利し、初代王座を獲得しました。
◇スター選手を倒し、一躍時の人となったクレベル選手
サトシ選手の兄と知り合ったことでボンサイ柔術に入門。同年齢のサトシ選手を目標に、実力を積み上げていきます。国内外の大会で勝利を重ねていきましたが、日本の大きな大会へ出場する機会がない中、サトシ選手がクレベル選手のRIZIN参戦を要望し実現。
その強さをRIZINの試合でも示すと、ついに格闘技界のスターである朝倉未来(みくる)選手との対戦が実現。この試合を得意の絞め技で見事に勝利し、その強さを日本中に知らしめました。
◇RIZINの勝利で得たもの
勝利したことで一番うれしかったことを聞くと、サトシ選手は「ジムの仲間や子どもたちが喜んでくれたこと」と、クレベル選手は「サトシ先生と同じリングで一緒に勝てたこと。それと、『テレビ観ました』と街で声を掛けられたこと」と話してくれました。
「強さ」とは、試合に勝つことだけじゃない。
凛とした佇まい、周りへの気遣い、無邪気な笑顔、たゆみない努力。
心・技・体、すべてを兼ね備えた
まさに『最強』と言える2人のいわた人
■クレベル・コイケ選手
1989年10月16日生。磐田市在住。ボンサイ柔術所属。
日系ブラジル人で、14歳の時に出稼ぎのために来日した両親とともに来日。
元KSWフェザー級王者、
元REBEL FCフェザー級王者。
◇これからの目標
サトシ選手は「まずは王座を防衛していきたい。それと、ボンサイ柔術の教えは、自分のことだけではなく、周りのことも考え思いやること。その教えが次の人にも伝わり、みんなに思いやりの気持ちが広がってほしい。だから、ボンサイ柔術を広めていきたい」と話してくれました。
クレベル選手は「次はタイトルマッチ。チャンピオンになるため、もっと強くなりたい。また、自分は出稼ぎで来日し、今はみんなの前で試合をしている。自分の頑張りで在日ブラジル人に、そして日本人にも勇気を与え、努力し続けることで今日よりも明日はもっと良くなることを示したい」と話してくれました。
◇2人にとって磐田とは
2人とも口を揃えて「イメージしていた日本とは違って、田舎」と正直に答えてくれました。ただ「そんな田舎な所が好き。自然も多く、すごく暮らしやすい。これからも、ずっと磐田に住み続けたい」と話してくれました。
◇インタビューを終えて
2人の人間性、関係性、考え方、磐田への思い、どれを聞いても気持ちの良い答えを返してくれました。ぜひ、この2人の顔と名前を覚えて、見掛けたら声を掛けてあげてください。