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健幸 plus+『市立総合病院からのお知らせ』

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静岡県磐田市

■実は身近な慢性腎臓病(CKD)
~適切なタイミングで、適切な対応を~
腎臓内科 医長
金子 真以(かねこ まい)

CKDという言葉を聞いたことはありますか?落語家の林家たい平さんのCMで耳にされた方もいるかもしれません。CKDの患者数は2011年には人口の約13%でしたが高齢化に伴い年々増加傾向にあり、実は身近な病気なのです。

CKDは、腎臓の機能が正常の60%未満、または尿検査で尿タンパクが持続的に陽性となる状態(尿中にタンパク成分が余分に漏れ出ている状態)で、病気の程度によって5段階のステージに分けられています。腎臓は心臓や脳と深い関係があるので、病気が重くなると透析療法だけではなく、脳や心臓の病気(脳卒中、心筋梗塞など)にもかかりやすくなります。

通常は病気にかかるといろいろな症状が出ますが、腎臓は沈黙の臓器なのでCKD特有の症状に乏しく、しかもかなり悪くなるまで症状が出てきません。そのため、かなり進行するまで放置され、気が付いたら透析が必要な状態になっていたという方も少なくありません。ですから、健康診断などで腎臓が悪いことを指摘されたら、特に症状がなくても医療機関を受診し、自分の腎臓の状態を評価してもらいましょう。

CKDの治療には薬物療法や食事療法があります。かつては腎臓病に効く薬はありませんでしたが、現在は腎臓を保護する薬やCKDの合併症治療薬があるので、薬はきちんと内服しましょう。食事療法も進歩していますが、やはり減塩が基本です。血圧が高くなくても塩分の取り過ぎには注意し、減塩を心掛けましょう。

自分の体は自分で守るものです。健康診断などの結果をもう一度確認し、問題があれば医療機関を受診しましょう。

       

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