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【トピック(1)】令和5年度広島平和記念式典小中学生派遣事業~今、平和への想いを一つに~

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静岡県磐田市

昭和20年(1945年)8月6日午前8時15分。広島の街に原子爆弾が投下され、一瞬で大切な人の命と日常が奪われました。
あれから78年。広島市で毎年開催されている広島平和記念式典への小中学生派遣も本年度で12回目を迎えました。
今も核兵器の拡散が懸念され、世界各地で繰り返される紛争では、尊い命が奪われ、多くの人が傷ついています。
そうした中、磐田市の未来を担う子どもたちが、被爆地・広島でどのような体験をし、何を学び、どのように感じたのかを紹介します。

◇令和5年度広島平和記念式典小中学生派遣団
※詳細は本紙P.3をご覧ください。

■平和記念公園
平和記念公園は8月6日(日)に行われる平和記念式典に向けて、平和への想いと祈りであふれていました。
平和記念公園は、昭和24年8月6日(1949年)の広島平和記念都市建設法の制定に伴い、この地区一帯が平和記念施設として整備されました。
子どもたちは、ボランティアガイドの方の話を聞きながら、公園内にある平和への願いが込められた慰霊碑や記念碑などを見学しました。
公園の象徴である「原爆ドーム」は、当時、原爆投下により一瞬にして大破しましたが、爆風を真上から受けたため、壁の一部とドームの鉄枠は倒壊を免れました。子どもたちは、原爆ドームの迫力を感じながら当時を思い、静かに見つめていました。
公園内にある「原爆の子の像」は被爆し白血病で亡くなった子どもたちの霊を慰め、平和を呼びかけるために建てられました。原爆の子の像の周辺には多くの折り鶴が捧げられ、子どもたちも各学校で、平和を祈って折られた千羽鶴を捧げました。
また、子どもたちは、核兵器と戦争のない平和な世界を願って作られた「平和の鐘」をみんなで心を込めて突きました。

■安田女子高等学校訪問
爆心地から約2kmにある安田女子高等学校には「被爆桜」と呼ばれる桜があります。この桜の木も被爆しましたが、今でも春になると美しい花を咲かせています。子どもたちは、被爆桜の前で、同校の生徒会から被爆した当時の話を真剣に聞き入っていました。
磐田市とのつながりは、平成22年度の平和記念式典で偶然お話をした生徒さんとの交流がきっかけで、平成23年度から訪問をしています。安田女子高等学校では、被爆桜の命を後世に伝えるため、桜の苗木作りに取り組んでいます。苗木は磐田市にも届けられ、市内の小中学校やかぶと塚公園に植樹されています。
子どもたちは、原爆投下により亡くなった生徒、職員のための慰霊碑に千羽鶴を奉納し、当時を知っている被爆桜の幹を触り、今でも花を咲かせる樹木の生命力と力強さを感じ、平和への想いを強く持ちました。

■平和記念資料館
資料館には、原爆投下までの経緯、被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真・資料が展示されています。
子どもたちは、火傷にあえぐ被爆者や広島の惨状の写真を息を呑むように見つめ、あらためて原爆の恐ろしさ、戦争の残酷さを目の当たりにしました。

■平和記念式典
8月6日(日)、午前8時から平和記念公園で行われた平和記念式典には、被爆者や遺族だけではなく、世界各国の代表者が参加しました。
子どもたちは、地元の小学生代表による「平和の誓い」での「身近にある平和をつないでいくために一人ひとりが行動していきます。誰もが平和だと思える未来を、広島を生きる私たちがつくっていきます。」という言葉を聞き、平和に対する強い意思を感じていました。
原爆投下と同じ時刻の午前8時15分に1分間の黙とうを行い、平和記念公園は祈りと静寂に包まれました。子どもたちも厳(おごそ)かな雰囲気の中、平和を思い祈りを捧げました。

■広島での体験を通して
◇この2日間で、平和の大切さ、核兵器の恐ろしさを肌で感じました。これがもし自分だったらどうすることもできなかったと思います。今、僕たちが暮らしている世界も一見平和で公平に見えます。しかし、今も戦争で苦しんでいる人たちがいると考えると、決して平和、公平な世界ではないと思います。だからこそ、この2日間で学んだ命の大切さ、命の重さを世界に訴えていく必要があります。その第一歩が身近な人に伝えることだと僕は考えます。そして一人、また一人と平和の大切さ、命の重さが伝っていき、最終的に世界に伝わっていけばいいと思います。
大藤小学校6年 堀内優月(ゆづき)さん

◇今回このような機会をいただくことができ、今まで知らなかったことについて、多くを知ることができました。
安田女子高校では、平和に暮らすことの大切さを改めて知ることができました。平和記念資料館では、原爆の恐ろしさを肌で感じることができました。そして、平和記念式典のこども代表の言葉で、広島の子どもたちは自分たちにできることを考え、行動していることに驚きました。今回学んだことを周りに伝え、今の自分たちに何ができるのか、どのようにして次の世代につないでいくかを考えてもらえるようにしていきたいです。
城山中学校3年 杉浦亜門(あもん)さん

       

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